「マイ・ブックショップ」、とても素敵な映画でした。

 

 

 

 

 

“本屋に孤独はない”というセリフがありましたが

 

ほんとうにそうだなあと思います。

 

 

本に詰まった、ひとりひとりの想いや思考、経験、想像力…

 

そのエネルギーが静かに放たれて時を待つ場所。

 

たしかに孤独とは無縁だなあと思います。

 

 

 

 

 

そして、勇気って素晴らしい、

 

潔さって美しいと感じました。

 

 

それから、

 

ひとりでもふたりでも

 

心から信頼してくれて 理解してくれる人がいてくれたら

 

それだけで十分心は満たされるんだと感じました。

 

 

 

 

1959年、イギリス東部の小さな海辺の町。

 

戦争で夫を亡くし、長年失意の中で暮らしていたフローレンスは

 

長い間借り手のなかった古い一軒家を改造して

 

書店のないこの町に 書店を開こうと決意します。

 

 

 

 

本は、夫との幸せな暮らしの思い出であり

 

彼女自身、本を読むことで心を支えられてきたから。

 

本のある生活の大切さ、その力を身をもって感じてきたからです。

 

 

本好きだった彼女の夫はなんと、

 

「毎晩本を読み聞かせてくれた」のだそうです!

 

毎晩妻に読み聞かせる夫、びっくりです(*_*)

 

いったいどんな本を読み聞かせてくれたのでしょう…(興味津々)

 

 

 

 

あふれる想いのまま 夢の実現に向けて奔走するフローレンスですが

 

保守的で閉鎖的なこの小さな町で

 

彼女の夢を応援してくれる人はいません。

 

 

やっと書店を開くことができたあとも

 

彼女の存在を疎ましく思う人たちは

 

お店を潰そうと執念深く画策します。

 

 

変化をおそれる人たちの分かりやすい態度や行動。

 

いつの時代も新しい風は

 

なかなか気持ちよく吹き抜けることができないものですね。

 

 

 

 

けれども、そこで挫けない。

 

譲れないものを守り通す強さに心打たれます。

 

 

巧妙さもなければ、ある意味柔軟さにも欠け

 

あまり上手い生き方とは言えないのかもしれませんが

 

まっすぐな気持ちと誇りを感じて応援したくなります。

 

 

 

 

彼女の味方は主にふたりだけ。

 

ひとりは

 

町の人たちに変わり者の隠遁者と思われている老人ブランディッシュ。

 

いつも身なりのきちんとした老紳士ですが

 

昔何かがあったのか、町の人たちに不信感を抱いているようです。

 

ブランディッシュは一見、偏屈で気難しく見えますが

 

本好き同士、本を通して繋がっていき

 

互いに深い信頼を寄せていきます。

 

 

 

 

この無骨な老紳士が

 

フローレンスの力になりたいと、一世一代の行動に出る!

 

これには驚き、感動しました。

 

 

 

もうひとりの味方は

 

書店で、家のために働くことになった本嫌いの少女クリスティーン。

 

子どもとあなどるなかれ、

 

芯が強く、真偽を見極める心の目を持っている彼女は

 

フローレンスのよき友となり、やがて志しを受け継いでいきます。

 

 

 

 

小さな町にできたフローレンスの小さな書店は

 

町にささやかな変化をもたらし

 

ブランディッシュとクリスティーンというふたりの心に

 

大きな希望と変化をもたらします。

 

 

成功、不成功とかそういうものとは無関係のもの。

 

商売とも違う。

 

ただそれをせずにはいられなかった、終われなかった。

 

そのための勇気だからこそ、ふたりの心を大きく動かしたのですね。

 

 

 

亡き夫との思い出の中に閉じこもらず

 

生きるエネルギーに変えていく姿、

 

分かり合えない人たちと無駄に争わない潔さ、

 

結果にしばられず行動していく勇気…

 

励まされます。

 

 

 

 

映像もとても美しいです。

 

町や海辺の風景の静かで落ち着いた色彩とその空気感。

 

洋服も味わい深いです。

 

そして、本を包む紙や紐の質感もときめきます。

 

音楽も素敵です。

 

 

 

 

フローレンスを演じたエミリー・モーティマーも

 

ブランディッシュを演じたビル・ナイも

 

実際にとても本好きなのだそうです。

 

それが分かってまた嬉しかったです。

 

 

 

劇中に出てくる本も印象的でした。

 

「たんぽぽのお酒」(レイ・ブラッドぺリ著)、読んでみたくなりました。

 

 

 

ラストは原作とは異なるのだそうですが

 

さりげなくも衝撃的、そして伏線と繋がります。

 

コイシェ監督のひねり技ですね。

 

 

 

こんな本屋さん、近くにあったらいいなあ…(^ω^)

 

 

 

 

最後までお付き合いくださりありがとうございます。

 

皆さまどうぞお元気でお過ごしください。

 

心に勇気を( `ー´)ノ

 

 

 

~おまけ~

 

帰りに立ち寄った教文館で可愛い本を見つけました。

 

 

その中のひとページをお贈りします♡